自動化を実現する3種類のロボットRPA、iPaaS、独自開発を解説

自動化

こちらの記事を見ていただいているということは、企業の中の自動化推進担当か、自動化を成功させてコスト削減したいと考える経営者の方でしょうか。

自動化推進を成功させるためには3種類のロボットの特徴と、どのような業務にどのロボットを使えばいいのかを理解する必要があります。

本記事を読むと以下のことがわかります。

・自動化ロボットの種類に何があるかを理解できる。
・RPAとは何か、その特徴と選択基準について理解できる。
・iPaaSとは何か、その特徴と選択基準について理解できる。
・独自開発ツールとは何か、その特徴と選択基準について理解できる。

それでは以下の目次にて詳細に解説します。

自動化ロボットの概念図について説明

まず自動化を実現するためのロボットといっても、そのロボットの概念と何が出来るのかを理解する必要があります。

自動化とは何か?自動化推進の4つのメリットを解説でも解説してますが、以下に自動化の「Before/After」の概念図を載せました。

Befor:「自動化をする前」の概念図

After:「自動化をした後」の概念図

自動化ロボットとは「自動化をした後」の真ん中にいるロボットのことをさします。理論上はなんでも出来ます。

もちろんサービス側に細かい制約などもあるので、実際やってみるとうまくいかないことは多々あります。

しかし、これからご説明する3種類のロボットのそれぞれの強みを活かし、場面場面で使い分けることで、制約を突破することも出来ます。

この3種類のロボットとは、RPA、iPaaS、独自開発のことです。次章にて具体的に説明します。

自動化を実現するための3種類のロボットについて解説

RPA、iPaaS、独自開発についてそれぞれ特徴と適する業務を解説した後に、選択基準、導入難易度を表にまとめました。

種類選択基準利用者導入難易度
RPA・APIが利用出来ない

・GUIの変更が頻繁に起こらない

個人 or チーム単位低い
iPaaS・対象サービスのAPI連携が可能

・やりたいことがレシピに既にある

個人 or チーム or 会社単位低い
独自開発・RPA, iPaaSだと実現が難しい部門 or 会社単位高い

RPA、iPaaSは難易度が低いので個人単位で開発・利用可能です。ただし、個人開発してその人だけが利用する場合、「投資対効果が出ない」可能性が高いです。

投資対効果が出ないとは、自動化出来たあとに削減出来る作業時間(削減コスト)が、自動化をするためにかかる時間(初期コスト)と自動化ロボットのメンテナンス時間(ランニングコスト)の合計を上回ることです。

出来れば同じような作業を行うチーム内で開発担当者を決めて、一人が開発してチーム内に展開するというやり方が理想です。

一方、独自開発の場合は難易度が高くなるので、多くの開発コストがかかります。そのため数名のチーム単位だと投資対効果*を出せない可能性があるため、数百人の部門単位で開発・展開を行う方がよいでしょう。

RPAとは何か、その特徴と選択基準

PCのデスクトップUI操作(マウスやキーボード操作)を対象とし,事前に定義した作業を自動実行するツールです。

Blueprism,UI Pathといった製品が有名ですが、OSS(オープンソースソフトウェア)の無料で使えるSikuliXというRPAツールもあります。

デスクトップUI操作を事前に定義しますので、デザインが変わると作り直しが必要になります。

そのため、デザインが頻繁に変わるようなWEBサービスに対しては不向きです。

また、WEBサービスで提供されるAPIを利用するためには事前にアカウント登録や、そのサービス自体でAPIが公開されている必要があります。

それらの前提がない場合にはRPAが効果的です。

iPaaSとは何か、その特徴と選択基準

iPaaSとは「Integration Platform as a Service」の略で、クラウド統合プラットフォームとも呼ばれます。

APIの呼び出しプログラムを書かなくても、GUIの操作によりクラウドサービスを繋げることでシステム間連携が出来てしまうサービスです。(特殊なことをやりたい場合、コーディングを交えることも可能。)

また、iPaaSといっても色々な種類がありますが、中には「レシピ」という概念があり、レシピを利用すればAPI接続の仕方についてよく使われるユーザーシナリオを模範することが出来ます。

つまり、どう繋げて何をするのか、というアイデア自体も真似することが出来ますので「どうやって自動化を進めようか?」と悩んでいる時にはレシピを眺めてみるといいでしょう。

独自開発とは何か、その特徴と選択基準

既にソフトウェアとして提供・販売されているRPAツールやiPaaSを使うことなく、システム間連携(APIの呼び出しプログラム)を独自に開発することです。

RPA、iPaaSは難易度が低いため、まずこれらで自動化したい業務が自動化出来るかを考え、実現出来そうにない場合は独自開発を選択するといいでしょう。

「独自開発なんて無理!効率悪い!」と思われるかもしれませんが、それは少し昔(10年以上前?)の常識です。

今は、例えば比較的習得難易度の低いプログラミング言語 Pythonでいえば、ある程度のプログラミング経験者なら1ヶ月。未経験者でも3ヶ月もあれば会社終わった後の自習だけで習得可能です。

Pythonプログラミングの効率的な独学方法であれば、プログラミングスクールに通う必要もないです。その方法については【プログラミング初心者用】Pythonを独学で効率的に学習する方法で解説してます。

【プログラミング初心者用】Pythonを独学で効率的に学習する方法
プログラム未経験の方が副業でプログラミングを始めようと思っても、『効率的な学習方法は何だろうか』と悩んでいませんか?筆者が試行錯誤した結果たどりついた、お金をかけずに『独学』でプログラミングを習得する方法についてお伝えします。

 

しかも、フレームワーク(システム開発を楽に行えるように用意されたプログラムのひな形)や外部ライブラリが充実しており、自分で書くコードというのはフレームワークのお作法に従った最低限のコードであったり、ライブラリを組み合わせるためのコードがメインとなりますので、昔に比べれば簡単になってます。(私の周りでも、プログラミングを専業としない方で、Python書ける人は結構います。)

また、AIを使いたい場合。PythonはAIの外部ライブラリが充実していると言われています。ですが、大変なのはAIに学習させる大量のデータを用意して、データクレンジングし、学習させることです。

これについても、学習済みのAIというのがクラウドベンダーが提供しており、タダではありませんがAPIを使いAIを利用することが可能です。

まとめ

以上、3種類の自動化ロボットの正体について解説しました。

3種類のロボットについてきちんと理解することは、自動化推進において非常に重要です。

iPaaSのレシピに既にあるにも関わらず、知らなければ簡単にポチポチっとマウス操作で導入出来るにも関わらず、多大な工数かけてシステム間連携のプログラムを書いて開発してしまった!なんてことになりかねません。

なお、今回は導入コストについて触れてませんが、基本的にはコスト削減のための自動化であればお金を払って自動化ツールを買ったり、お金をかけて自動化ツールを作ることはナンセンスだと思ってます。

「自動化推進の失敗プロジェクト」をたくさん見てきましたが、失敗の理由は「投資対効果がマイナス」か、「ツールを用意しても現場が使ってくれない」のどちらかです。

RPAだって、1ライセンス月額10万とか払って導入する必要ないです。タダで使えるSikuliXで十分です。

今はOSSのツールがたくさんありますし、独自開発するにしても誰でも書ける
Pythonプログラミングを使えば、うまくやればタダで開発出来ます。

「いやいや、従業員のレイバーコストがかかる!」というかもしれませんが、そこはコミュニティ活動とか、個人のスキル向上とか啓蒙活動でなんとでもなります!(爆)

導入コストをゼロで自動化推進する方法については、時間があったら別の記事で書きたいと思います。

以上

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