【2020年版】自動化とは何か?自動化推進の4つのメリットを解説

自動化

2015年頃から業務の自動化(オートメーション)が注目され早5年が経とうとしてます(私の感覚ですが)。

ガートナーのハイプサイクルではRPAといった自動化ツールは現在幻滅期にあたるようです。

自動化のダメな部分がよく見えるようになった今、あらためて自動化とは何か、何が出来るのか、自動化のメリットについてまとめました。

特に「新しいサービスの創出」という点が必見です!

それでは以下の目次にて詳細に解説します。

自動化の定義とその目的

「自動化」と聞いて何を思い浮かべますでしょうか?人や業界によって定義は様々ですが、

ここでいう自動化とは「人がこれまで手作業で行なっていたことを、機械が行うこと」とします。

その最大の目的は、「人の時間を節約すること」

なので、外注とも違いますし、全知全能のAIが勝手にものを考えて作業するのとも違います。

注意点として、「人の時間を節約すること」が目的なので、自動化を推進したことで逆に作業時間が増えてしまっては意味がありません。

自動化出来たあとに削減出来る作業時間(削減コスト)が、自動化をするためにかかる時間(初期コスト)と自動化ロボットのメンテナンス時間(ランニングコスト)の合計を上回るかどうかの見極めが必要です。

非定型作業や回数の少ない作業、内容が変わりやすい作業といった自動化に不向きな作業というのは当然あり、そのような作業は人が行なった方がいい場合もございます。

何を自動化出来るのかをわかりやすく解説

理論上はなんでも出来ます。なんでも出来るがゆえに自動化が注目されており、「自動化してコスト削減せよ」という指令がよくトップダウンで落ちてくるわけです。
なんでも出来るというのがわかりやすいように自動化の概念図(Before/After)をお見せします。

Befor:「自動化をする前」の概念図

After:「自動化をした後」の概念図

「API」とはApplication Programming Interfaceの略でアプリケーションやサービスのインタフェースのことです。「API以外のアクセス」とは、デスクトップ操作、ブラウザ、モバイルアプリ、物理的操作(電源スイッチのOFF/ON)など人がアクセスする方法全般を指します。

上図「自動化をした後」の概念図の通り、人が直接サービスに触らなくてよくなった様子がわかると思います。これまで人がやっていた作業は自動化ロボットに置きかわり、人の仕事は自動化ロボットをメンテナンスするだけになりました。

もちろん、サービスによってはAPIが用意されてなかったり、用意されていたとしても細かい制約があるのでこんなに上手くはいきません。

そのため、各サービスや技術にどういった制約があるのかを理解し、前章で説明した自動化推進の投資対効果の見極めが重要になります。

ただ、テクノロジーの発展に伴い年々投資対効果は改善していくので、いずれは多くの業界・職業の作業がこのように変わっていくと言われてます。

また、右上に「AI」が登場してます。「AI」というのは自分で何か考えて作業をするということは出来ません。「AI」が出来ることは、問い合わせに対して回答するだけです。

なので、よく「人の仕事はAIに奪われるのか!?」という論争が行われますが、正確に言うと「人の仕事はAIも使う自動化ロボットに奪われるのか!?」が正しいです。

なお、AIで何が出来るのかについては業種によって様々ですが、例えば本ブログ記事のような「記事作成」にどう貢献できるのかについてはAIがブログ記事作成の自動化にどう貢献できるのかをまとめたで解説しています。

AIがブログ記事作成の自動化にどう貢献できるのかをまとめた
自然言語処理がブログ記事作成の自動化にどう貢献できるのかをまとめました。自然言語処理では「何について書いているのかがわかる」「ある記事の日本語らしさを計算できる」「投稿されたコメントがポジティブかネガティブかものか自動判定出来る」などが出来ます。

 

自動化をすると何が嬉しいのか、4つのメリットについて解説

では自動化をしたら何が嬉しいのか具体的な4つのメリットについて解説します。自動化ロボットの素晴らしいところを以下に記載しました。それぞれ、詳細に説明します。

1. 人件費の削減
2. 人為的ミスの削減
3. 労働生産性と従業員満足度の向上
4. 新しいサービスの創出

人件費の削減

最も大きなメリットは、人件費削減です。なぜなら自動化ロボットは故障しない限り24時間365日、タダで働いてくれます。

それだけでなく自動化ロボットに多くの業務を移管すればする程、厳しくなる一方の労基法、従業員満足度、若手社員の離職問題などに頭を悩ませる必要もなくなるため、人事業務コストの削減にも繋がります。

また、自動化ツールの開発フェーズにおいては、今はPythonのようなオープンソースのライブラリを活用したり、オープンソースのソフトウェアをうまく活用して開発すれば、コストゼロで開発可能です。

展開フェーズにおいても、普段の業務の一部として展開するやり方により、初期コストゼロで自動化ロボットを開発、導入、展開することができます。(この自動化ロボットの選定・開発・テスト・展開をコストをかけずに行うための各フェーズの具体的なやり方については別記事にて記載しようと思います。)

人為的ミスの削減

人為的ミスをなくすことが出来ます。長時間、人が単純作業をしていると、ミスは起きやすくなります。しかし、機械は長時間作業しても疲れることがないので、人為的ミスはなくなります。

ただし、人為的ミスはなくなりますが、自動化ロボットもメンテナンスを怠ると外部環境の変化を起因にミスが起こる場合があります。

人は外部環境の変化を察知して、その変更に応じて作業内容を変えることが出来ますが、自動化ロボットは勝手にはやってくれません。

いくら外部環境が変化しても、既に定義されたプログラムに従って実行します。

外部環境の変化の都度、自動化ロボットの作業内容に変更が発生しないかを考えて、必要に応じて作業内容を変えてあげる必要があります。

労働生産性と従業員満足度の向上

どのような職種においても単純作業は存在しますが、社外に情報を出せない、社内の制約により外部発注が出来ないといった様々な理由により、単純作業を単価の高い社員が実施しているというケースはよくあります。

この場合、従業員の仕事に対する満足度が低下してしまい、離職に繋がるケースもございます。

単純作業を自動化ロボットに任せれば、単純作業に従事していた時間を本来するべき業務にあてることが出来るため、労働生産性の向上が期待できます。

新しいサービスの創出

自動化のメリットの一つとして、新しいサービスの創出があげられます。

これは「単純作業に従事していた時間を本来するべき業務にあてることが出来るため」という理由だけではありません。

自動化の仕組みを作るためには、前章の図「After:自動化をした後の概念図」を理解し、自動化ロボットで何ができるのかを常に考える必要があります。

その過程では、普段の業務に自動化ロボットの得意な分野をプラスαすれば、既存のサービスの品質を上げたり、新しいサービスを創出できることに気づくことがあります。

なぜなら自動化推進を突き詰める過程でIoTやAIの技術に触れることになるからです。

近年、多くの企業が生き残りをかけて推進しているDX(デジタルトランスフォーメーション)も、自動化推進がきっかけで実現することがあります。

DXが何か?その重要性についてはなぜDXにコンテナ技術が必要なのかを日本一わかりやすく説明するで解説しています。

なぜDXにコンテナ技術が必要なのかを日本一わかりやすく説明する
DX(デジタルトランスフォーメーション)を多くの企業が推進しています。また、DXの実現において様々な制約を排除するためにコンテナが必要です。今後インフラエンジニアとって必須となるコンテナ技術が何故必要なのか本記事で解説します。

まとめ

以上、自動化とは何か、何が出来るのか、自動化の4つのメリットについてまとめました。

1. 人件費の削減
2. 人為的ミスの削減
3. 労働生産性と従業員満足度の向上
4. 新しいサービスの創出

特に4つ目はあまり自動化推進において聞かれないメリットだと思いますが、これからのDXの時代に自動化を単なるコスト削減と位置付けていてはもったいないです。

コスト削減といった「守りの自動化」だけでなく、サービスの創出という「攻めの自動化」を推進する方が自動化推進に対するモチベーションも向上しますので、是非企業の自動化推進担当の方は4つ目のメリットをアピールしてみてはいかがでしょうか。

なお、以下の記事では具体的に自動化を実現するためのロボットの正体について解説します。実は自動化ロボットは3種類もいます。それぞれ役割が異なりどの作業にはどのロボットがいいのかを把握するのも自動化成功には欠かせませんので、よろしければご参照ください。

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