SikuliXをインストール手順は検索すれば簡単に見つかりますが、その実行環境の仕組みについて詳細に解説している記事というのは見つかりませんでした。
そのため、本記事では実行環境の仕組みも含めわかりやすく解説します。
それにより、インストール手順や必要ファイル、必要な環境の理由について理解することが出来ます。
その結果、将来的に必要となるスクリプトの効率的な配布といった場面で応用がきくようになります。
SikuliXのインストール方法
SikuliXのインストール方法は以下の通りです。なお、本手順の前提は以下の通りです。
・スクリプトはPythonで記載する
・Java8はインストール済である。 *インストール方法はhttps://www.java.com/ja/download/help/download_options.xmlに記載されてます。
IDEとJythonのダウンロード
sikulixide-xxx.jarとjython-standalone-xxx.jarを、https://raiman.github.io/SikuliX1/downloads.htmlからダウンロード。
以下をクリックすればダウンロードできます。
*余談ですが、これまでsikulix-xxx.jarだったファイル名が、sikulixide-xxx.jarに変わってます。他にIDEではなく単なる実行環境の呼び出しのためのファイルsikulixapi-xxx.jarがあるので、ファイル名の形式を揃えたのだと思われます。
ダウンロードした2つのファイルを1つのフォルダに保管
任意の名前のフォルダを作成し、作成したフォルダに2つのファイルを保管します。
sikulixide-xxx.jarをダブルクリック
sikulixide-xxx.jarをダブルクリックすると、jython-standalone-xxx.jarが消えます。(実際には移動してます)
以上でインストール完了です。
再度sikulixide-x.x.x.jarファイルをダブルクリックすれば、SikuliXの開発画面が表示されます。
SikuliX実行環境の仕組み
それでは、SikuliX実行環境の仕組みについて解説します。
インストールしたJythonとsikulixideの正体
インストールしたjython-standalone-x.x.x.jar、sikulixide-x.x.x.jarという2ファイルと、実行の前提となるJava8の位置付けは以下の図の通りです。
この図のポイントは2点。PythonをJava環境で動かすためにJythonが必要。sikulixのIDEはjavaで書かれているということです。
なお、jarファイルとはJava Archiveの略で、javaのプログラムファイルとかを1つにまとめたJava専用の圧縮形式のことで、Javaのファイルをzip形式で圧縮して余計な情報をくっつけたのがJARファイルです。
圧縮自体はzip形式で行われており、jarファイルは圧縮したままの状態でJavaの実行環境を動かすことが出来ます。
jar -xvf sikulixide-x.x.x.jar
で試しに解凍しましょう。.classというファイルが多くあり、コンパイルしているのがわかります。
CPythonとJythonの違い
更に理解を深めるために、CPythonについても触れます。
一般的なPythonの実行環境は、C言語で動作するCPythonを指します。これは上記と異なりC言語で作られてます。
SikuliXだけでなくCPythonをインストールしたことがある人は気づくかもしれませんが、CPythonの場合はMAC用とWindows用でインストールファイルが分かれてます。
対して、SikuliXの場合はWindowsもMACもインストーラーは同じですが、その理由は、JavaでOSの違いを吸収してくれているからです。もちろん、JAVA(JVM)はJVM(windows)やJVM(MAC)で異なります。
以上です。