ラッセルの幸福論をチェックリスト化したので「もやっと」した時に活用下さい

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「NHK 100分で名著」にて「ラッセルの幸福論」が取り上げられてましたが、番組の中で「ラッセルの幸福論はチェックリストのようなもの」と言っていて、確かにそうだと思ったので、チェックリスト化しました。

ラッセルは、「考えるべきことを考えるべき時に十分に悩む(哲学する)のが大事。逆に言うと考えるべきでない時は、幸福論をただひたすら実践すべき」と言っています。

私生活で「もやっと」した時には、自分の状況をチェックリスト照らし合わせて改善しましょう。

ラッセルの幸福論とは

バートランド・ラッセルの「幸福論」。アランやヒルティの「幸福論」と並んで、三大幸福論と称され、世界的に有名な名著です。この名著を記したラッセルは、イギリスの哲学者でノーベル文学賞受賞者。核廃絶を訴えた「ラッセル=アインシュタイン宣言」で知られる平和活動家でもあります。そんな彼が58歳のときに書いたのがこの「幸福論」です。

ラッセルの幸福論は2部構成になっていて、1部は不幸の原因を明らかにして、それを思考のコントロールを用いて取り除こうというもの。

2部はより幸福になるための実践。幸福の源とは何かを説き、具体的に何をすればいいのかを根拠を交えて説明してます。

本記事では、1部、2部、両方のチェックリストを作成してます。

ラッセル幸福論1部 不幸の原因と思考のコントロール

不幸の原因チェックリスト思考のコントロール具体例・根拠
悲観主義外に向けた行動をしているか悲観的に考えているだけでなく、今やらなければならないことなど、外にむけて行動を起こす必要性に目をむける。全てが空だと感じることを経験したが、その気分から脱出出来たのは何かの哲学ではなく、どうしても行動を起こさなければならない必要に迫られたからである。もし、我が子が病気になれば悲観的になっている場合はなく、なんとかしようと行動に出る。
競争競争意識なく純粋に楽しんでいるか成功だけが幸福のゴールと考えると他のことを犠牲にしてしまい不幸になる。成功と純粋に楽しむことのバランスをとる。読書の目的つ、純粋に楽しむこと、他人に自慢することがある。後者は人と競争し勝つことが目的になっている。本を読むことは純粋に読むことの方が幸福である。
退屈と興奮退屈を味わっているか。興奮を摂取しすぎてないか退屈を否定的に捉えない。携帯の電源を切って自然や大地のリズムを味わったりと退屈を味わう。多すぎる興奮に慣れた人は、胡椒を大量に欲しがる人に似ている。そんな人は他の人ならだれでもむせるほど多量の胡椒でさえ味がわからなくなる。依存症になり不幸になる。退屈には多すぎる興奮を避けることと切り離せない要素がある。
疲れ(精神的な心配からくる)失敗に対し心配して疲れてないか自分が失敗しようが宇宙に大きな変化はない、と宇宙的に考えて自分を俯瞰してみれる。N/A
ねたみ今の状況を他人と比較してないか比較をやめ、自分の状況を目一杯楽しむお隣さんが冬休みにハワイ。うちはここ何年も旅行すらしてない。という不幸。他人と比較してものを考える習慣は致命的な習慣である。なんでも楽しいことが起これば目いっぱい楽しむべきであって、これはもしかしてよその人に起こっているかもしれないことほど楽しくないんじゃないか、などと立ち止まって考えるべきではない。
罪の意識罪悪感を感じ後悔してないか頭では悪くないと思っていても後悔するような場合は、都度後悔の感情の原因を調べて、それが不合理なものであるということをいちいち心から納得する。子供の頃親から結婚しなければ幸せになれないと聞かされていると、結婚しない人生を選ぶと罪悪感にとらわれてしまう。無意識レベルの感情をコントロールするには、意識することを徹底的に繰り返す必要がある。
被害妄想拍手喝采を浴びたいという理由で行動してないか・あなたの動機は自身で思っているほど利他的(他者の利益となる行動)ではないことを忘れてはならない。・あなた自身の美点を過大評価してはいけない。・あなたが自身に寄せている興味を、他の人も寄せてくれるものと期待してはならない。・たいていの人は、あなたを迫害してやろうと思うほどあなたのことを考えている、などと想像してはいけない。(自身のことに皆それほど興味をもってない)国会議員に立候補する理想主義者、国民のためと言いながら本当は権力欲や虚栄心の場合が多い。それに気づいていないからがんばってる自分を何故わかってくれないのかという被害妄想に陥る。また、劇作家が作品を心から作りたいからではなく、拍手喝采を浴びたいという理由で作る作品も同様。あなたがものを行動したい思うのは、心から行動したいと思うからなのか、拍手喝采を浴びたいからなのか。後者の場合、浴びれなかったら被害妄想に陥りやすい。
世評に対するおびえ人にどう思われているのか気にしてないか生死に関わる問題でなければ無視しろ。※この害悪の究極の解決法は、世論が寛容になること。仲間の人間に苦痛を与えることを主な楽しみとしていない個人の数を増やすこと。重大な問題でも、ささいな問題でも他人の意見が尊重されすぎている。飢えを避け、投獄されないために必要な限り世論を尊重しなければならないが、その一線を超えて耳を傾けるのは自ら進んで不必要な暴力に屈することであり、あらゆる形で幸福を邪魔される。

ラッセル幸福論2部 幸福の源と具体的にやるべきこと

幸福の源チェックリスト注意点具体例・根拠
熱意熱意をもつバランス大事。バランスを保つために以下をチェック・健康に影響でないか・仕事等のパフォーマンスは落ちないか・お金がかかりすぎないか・妻子への義務は怠っていないか病人など義務感から食事をしている人は食事に熱意が入らない。対して熱意がありすぎると、食べ過ぎで健康を損なう場合がある。
愛情愛情を外に向けるN/A愛情が自信をもたらし、自信が安心感を抱かせる。その習慣が源(自信)となり熱意をもたらす。最上のタイプの愛情は、相互に生命を与えあうもの。おのおのが喜びをもって愛情を受け取り、努力なしに愛情を与える。一方、一方的に愛情を吸い取る吸血型の愛情というのも存在する。
家族親子・夫婦愛を大事にするバランス大事。バランスを保つために過干渉にならないように相手を尊重する。親子間の愛情は幸福の最大の源だが、バランスが必要。親が子供に愛情を与えすぎると、子供を支配することになり不幸になる。子供の人格に対して尊敬の念を抱く必要がある。
仕事技術を向上させる。何かを作り上げる。どんな仕事でも、どんな環境でも面白くすることは出来る。仕事を面白くするだけで幸福になれる。面白くするためには以下を実施する。

・技術の行使:技術を向上させることで仕事を楽しめる

・建設性:何かを作り上げることの達成感から喜びを得られる。幸福になるためには人生の目的が必要。そのための手段が仕事。

私心のない興味趣味をもつ趣味はわざわざ探すものではなく、自然にやりたいと湧き上がってくるものである。趣味の三つの効果

・気晴らしになる(仕事を離れて損得関係のない楽しみを得る)

・釣り合いの感覚をもつ(趣味があれば視野が広がる)

・悲しみを癒す(例えば愛した人を失っても、別の趣味があれば心は少しは楽になる。死は偶然にやってくる。偶然性に振り回されては悲しい。)

努力とあきらめ努力する。避けられない不幸に時間と感情を浪費しない(関西弁しゃあないやん)幸福には努力が必要。不屈の希望に根ざすあきらめは幸福に繋がる。個人的な目的が人類のためのより大きな希望の一部であった場合は、たとえ挫折したとしても、同じような完膚無きまでの敗北ではない。賢人は妨げうる不幸を座視(黙って見ていて手出ししない)しないが、避けられない不幸に時間と感情を浪費することもしないだろう。また、それだけなら避けられる不幸に見舞われても、それを避けるのに必要な時間と労力がもっと重要な目的の追求を妨げられるようならば、進んでその不幸を甘受するだろう。

ラッセルの幸福論まとめ

最後にラッセルの名言というか、私が心に残ったメモを記載します。

・自分はなんのために生きているのか、幸せとは何かなどという考えが浮かんでいるのならば、幸福ではないということ。当然人は幸福であるために生きている。幸福チェックリストを実践すべし。

・「幸せとは何かを考えていない状態が幸せである」と短絡的に結論を出すべきではない、それは一理に過ぎず、幸福とはより複雑な要素が絡まっている。その複雑な要素を紐解き、原因・解決策を実践することでより品質の高い幸福を享受することが出来る。

・考えるべきことを考えるべき時に十分に悩む(哲学する)のが大事。逆に言うと考えるべきでない時は、幸福論をただひたすら実践すべき。

・幸福論とは、思考のコントロールを用いて不幸の原因を取り除き、また幸福の条件を実践するためのチェックリストである。

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